MRという仕事

MRから見る開業医・病院・大学病院の違い 【MRという仕事】

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こんにちはそりまるです。前回MRという仕事の昔と今をご紹介しましたので、今回はMRである自分が1日どのような活動をしているのかをご紹介しようと思ったのですが、それにはまず担当している施設の違いについてご紹介しないと、と思いまして、まずはMRから見る開業医・病院・大学病院の違いについて整理をしたいと思います。

MRの昔と今についてはコチラ ⇒ MRという職業に就くために学んでおくべき3つのこと【MRという仕事】

医薬品卸との関係

開業医

いわゆる町医者である開業医はGP(General Practitioner=総合診療医)と呼ばれます。〇〇医院とか〇〇クリニックと標榜されているかかりつけ医のことを指します。GPの先生はその〇〇医院の院長であり、自ら診察を行いながらその医院の‶社長”でもあります。よってMRから見れば自社医薬品の宣伝をするドクターであり、さらに自社医薬品の購入を取り仕切る人でもあります。

前記事にも記載しました通りMRは見積り・納入・集金といった流通には関与しませんので、医薬品流通を担うMSとの連携がとても重要になってきます。

日本では4大卸(アルフレッサ、メディセオ、スズケン、東邦)と言われるように、医薬品を納入する特約店の統合が進んでおります。購入権は院長であったり、理事長であったり、事務長であったりとその医院によってまちまちですが、大抵はこの4大卸のいずれかから購入されており、使用する医薬品を全て1つの卸に任せている場合や、製薬メーカーごとに卸を分けている場合、また医薬品ごとに納入卸が違う場合もあります。卸側からすると、その施設全体での売上を計上するため、多数の医薬品を購入してくれている場合は納入価を下げたりできますので、病院に比べ規模の小さい医院では、一般的に1つか2つの卸が納入を担っている場合が多いかなと思います。必然的にそこにほぼ毎日出入りしているMSは、いろいろな情報を持っていますしその医院との信頼関係が築けていますので、担当歴の浅いMRなんかと比べると、よっぽど院長の信頼が厚い、ということになります。MRはこれを踏まえ、力のあるMSとのコンタクトも重要になり、院長への営業活動に加え、担当MSとの良好な関係を築けなくてはいけません。

 

病院

一方、病院(HP=Hospital)では複数の診療科目があり、それぞれの科に専門のDrが複数います。MRは自社医薬品を使用する可能性のあるDrへ営業活動を行うため、病院内の全てのDrに面会するわけではありません。医薬品の購入に関しては、メーカー縦割りとなっている病院が多く、○○製薬の薬剤はA卸、△△製薬の薬剤はB卸というふうに決められていることが多いです。さらに見積りや価格の妥結については購買部が担うことが多いため、その病院で1つの卸が絶大な力を持つことは少ないです。医薬品を処方するDrと購入する薬剤部や購買部に分かれており、MRとMSの営業先が異なってしまうため、HP担当MRがMSと連携する必要はGPよりも薄いかもしれません。

大学病院の流通も基本的には病院と同じであり、卸との関係からみれば大きくは変わりません。しかし、病院の規模が大きくなればなるほど購入金額も大きくなります。中小病院クラスであれば、GP担当のMSが訪問しているケースもありますが、基幹病院クラスや大学病院となると、一般的には病院担当を専門とする営業所所属のMSが担うことが多いでしょう。

 

 

医師との関係

開業医

GPの医師は総合診療医という扱いになります。お腹が痛くても、熱が出ても、咳が止まらなくても、同じ医院に行くことが多いのではないでしょうか。よってGPの医師は「なんでも診る」ことが必要となります。自分が糖尿病専門でも、血圧薬も抗生剤も胃酸抑制薬も睡眠薬も、ほとんどの薬剤を処方する可能性があります。さらに購入権を持つ社長でもありますから、当然各社のMRが集中して訪問します。しかし院長も人間、そんなたくさんの営業の話を聞く時間もありませんし、人の好き嫌いもあるでしょう。そこで信頼できるMRとそうでないMRに線引きされていくことになります。GP担当者は先方の、医師として社長として人間としてのニーズを全て満たしていけるような、マルチな情報や能力、人間性が必要となります。医薬品の採用に関しても院長が納得するかしないか、ですので、接する人が少ない分、失敗が許されないとも言えるでしょう

 

病院

HPの医師は専門診療科に分かれており、紹介されてくる患者さんも、腹痛⇒ GPの処置で改善しない⇒ 精密な検査が必要 ⇒病院の消化器科へ紹介 というルートを辿ってきてるので、専門分野の診療のみを行うことにります。MRはそのDrの専門分野の情報を届けに行くことになりますので、より深い知識が必要となります。また病院は医局ごとの独立採算制をとっていることが多いです。よって消化器内科と呼吸器内科は同じ病院の中の1部署であると同時に、別会社でもあります。当然消化器内科部長、呼吸器内科部長はその医局内で権限を持っておりますので、部長をたて、副部長をたて、医長をたて、という根回しも必要になってきます。整形外科の中でも股関節専門や手指専門などDrによって専門は細かく分かれていますが、そのトップに立つ整形外科部長へのコンタクトは、何を持っても優先する必要があります。また新薬の採用などになると、院内の薬事審議会というものがあり、そこで採用医薬品の可否を検討します。薬審に出席するDrは院長や薬剤部長、専門外の部長など多岐にわたりますので、様々な部署や人物への根回し、報連相が大変重要となります。

 

大学病院

大学病院は病院としての形態は一般の病院と大きくは変わりません。最も大きな違いは各診療科がより独立しており、その医局には絶対的な権限を持つ「教授」という存在があることです。一般病院の医師はその病院に就職している方もいますが、だいたいは関連する大学病院からの派遣であることが多いです。大学病院での診療、研究、後進の教育の合間に、週何回かは外勤として一般病院で診察をする、という形です。医局の頂点を教授とし、准教授、講師、助教という完全な縦割り社会で、さらに関連病院への派遣なども含めての人事権を持つのが教授ということになります。一般病院でも部長をたて、と書きましたが、大学病院では教授へのより一層の根回しが必要となります。さらに大学病院の役付きともなれば、学会の理事など全国的に著名な医師であったり、近隣病院や開業医との関係性もあったりするため、MRの大元の仕事である情報提供以外の仕事も多数存在します。地方の講演会演者として招聘された教授の様々な手配や、大学を中心とした近隣地域の研究会企画など、多岐にわたります。これらの仕事を適切にこなし、信頼を得てようやく自社医薬品の情報提供にも耳を傾けてくれることになります。まぁ教授クラスでは、専門分野の医薬品の話など既にご存知のことが多いですが…。

 

訪問・面会

開業医

GPでは診察を担うのも、購入を決定するのも大抵は院長です。よってMRは院長への訪問活動を行うのですが、緊急でない限り仕事中に営業が来ても鬱陶しいですよね。一般的にGPの面会は午前や午後の診察が終わったころに伺います。診察時間終了間際になると、待合室にスーツ姿の人がぞろぞろと増えてくる光景を目にしたこともあるのではないでしょうか。院長先生の方針により、面会の曜日や時間が決まっていたり、事前にアポイントを取得するケースなどもあります。とはいえ、お1人で診察されているのですから、決められた手順を踏めばよほどのことがない限りは面会することができます。

 

病院

一方病院では医師の数も圧倒的に多く、1人1人にアポイントを取ることは現実的ではありません。またGPと違い訪問規制が厳しい施設が多いため、その規制に則っとった上でDrに声をかけるという方法が多いです。いわゆる立ちんぼというやつですね。病院の医師は診察をし、入院患者の様子を見に病棟を回り、医局に戻り内勤の仕事をし、外科であればオペの時間は手術室に行き、役割付きの先生であればその上会議もたくさんあります。こういった合間を縫って時間がありそうなときを見計らってMRは声をかけます。Drごとにベストなタイミングが違うため、それを見極めるというのも大事な仕事になります。大学病院でも基本的には同じですが、院長や教授クラスになると大したことのない用事では声をかけられませんので、自分の伝えないといけないことを明確にし、しっかりとアポイントをとって面会するのが一般的でしょう。

 

MRが担当する施設

MR業界ではなぜかGP ⇒ HP ⇒ 大学と担当が変わっていくことが多いです。GPでも超大口先もありますし、営業として難しい得意先は必ずしも大学が一番上ではありません。しかし、新卒や入社歴の浅いMRはGPを担当することが多く、大学担当者はある程度経験を積んだ中堅であることが多いですね。大学なんて教授など役付きの医師を除けば医師になりたての先生も多いですし、GPで年配の先生はベテラン医師であることが多いのに、不思議だなぁと思うこともあります。とはいえ、GPで結果を残したMRが病院を担当させてもらい、病院で結果を残したMRから大学担当してみないか、と声がかかることが多いのは事実です。

ちなみに

○○クリニックと標榜する際、その標榜名に規制はありませんので、極端な話、肝臓専門医が呼吸器を標榜しても良いんです。そこまでかけ離れた名前をつけることはないと思いますが、〇〇医院~内科・外科・小児科など複数の診療科目を標榜しているGPに診察をお願いするときは、その先生のご専門を確認して行かれることをお薦めします笑

かかりつけ医で病院での検査が必要と判断された患者さんは、かかりつけ医からの紹介状をもらい、その専門の診療科にかかるため、初診で病院に行くことはあまりありません。初診でかかることも可能ではありますが、病院は専門性を高めることや急性期疾患を担う医療機関であることから、初診で病院に行くと別途保険点数がかかり支払い額が大きくなってしまいます。特に近年はかかりつけ医の役割、病院の役割(急性期なのか慢性期なのか)、大学の役割の明確化が進んでおり、患者側からもこの区分に逆らうように診察を受けると費用がものすごく高くなるケースがあります。

 

 

いかがでしたでしょうか。大学、病院、開業医に対するMRの関わり方についてご紹介しました。とはいえMRの業務は医療費削減に向かう国策や、業界のルール変更によって日々どんどんと変わってきています。MRの働き方も今後の変化を見極めながら自分が役に立てることは何か、模索しながら活動することが必要だなぁと思う今日この頃です。

 

 

 

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