MRという仕事

MRという職業に就くために学んでおくべき3つのこと【MRという仕事】

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あなたはMRという職業をご存知でしょうか。

最近では友人と話していても、その知名度は上がってきたなぁと感じております。そりまるはMRを本業として約15年になりますが、ここ数年でその業務内容が目まぐるしい変化している職種の1つであると思います。これからMRを目指そうという新卒の方や、MRに転職をお考えの方、その他この職業自体に興味のある方などもいらっしゃるかなと思い、本日はMRという職業についてご紹介したいと思います。

 

 

MRとは

MRとは医薬情報担当者(英: Medical Representative)の略でして、簡単に申し上げますと製薬企業の営業担当者のことを指します。医療用医薬品を医師や薬剤師を中心とした医療従事者に宣伝しに行くわけですね。営業といっても見積り、納入、集金など、お金と製品の流通には一切タッチせず、医薬品の情報提供や副作用情報の収集のみを職務としている特殊な営業です。ちなみにお金と製品の流通に関しては、医薬品卸売会社のMS(マーケティング・スペシャリスト)が担います。家電の分野で言いますと、ヤマダ電機の販売員さんがMSで、同じフロアにいるsonyの営業さんがMRという表現がやや近いでしょうか。

昔はMRではなくプロパー(宣伝者という意味のpropagandistに由来)と呼ばれており、MRという言葉ができたのは比較的最近のことです。1991年にプロパーがMRという呼称に変更され、1997年にはMR認定制度が導入されました。同年に設立された「財団法人医薬情報担当者教育センター」(MR教育センター)が実施するMR認定試験に合格し、国家資格ではありませんが認定を受けることが必要となりました。製薬企業に入社する新人さんは初年度にこの試験を受験することとなり、ほぼ全ての営業担当者はこの認定証を持っています。合格率は約80%で、普通に勉強していれば落とすことはないですが、さぼっていても受かるほど簡単な試験でもありません。

実はこの試験、まあまあボリューミーで、(1)医薬品情報 (2)疾病と治療 (3)医薬概論の三科目からなります。ひと昔前は(1)疾病と治療 (2)薬理学 (3)薬剤学 (4)医薬概論 (5)PMS (6)添付文書の6科目でして、医師、歯科医師、薬剤師は現在の(1)と(2)、昔の(1)~(3)が免除となっておりました。そりまるが入社した際もフィールドでの同行研修に加え、試験を落とせないプレッシャーにつらい思いをしたものです。この試験に合格して、晴れて1人前のMRとして認められ、医療従事者へ医薬品の情報提供という営業の場へ出ていくことになります。

 

 

 

 

 

MRという職業の今昔

製薬企業の営業職というと、業界外の方が一番に思い浮かべるのが、医療従事者との【 癒着 】ではないでしょうか。実際、プロパーと呼ばれていた頃はかなり派手な業界であったと思います。医薬品の利益率の高さを背景に莫大な交際費を投入し、医療従事者とのお付き合いスキルが仕事の評価、という時代でした。その頃の主な仕事は医療従事者の遊びの相手をし、延々と続く接待の費用を持ち、医療従事者同士の講演会や研究会のスポンサーとなり、医薬品のプレゼンの際には見たこともないような高額な弁当を提供するという、派手なバブル期を代表する業界であったのではないでしょうか。今から考えると患者さんの病気を治す医薬品が、お付き合いの深いプロパーからの情報で決定されるというのは倫理的に考えられないのですが、いわゆる「 癒着 」と取られかねない時代は確かにありました。

 

 

 

 

 

しかし、近年ではこういった華美過大な医療従事者とのお付き合いは大幅に規制され、「適正な医薬品情報の提供活動」が急激に推進されております。まず医療従事者と飲食を共にすることが規制され、遊戯と判断される場に同席することも規制され、講演会や研究会の費用が削減され、提供するお弁当の金額も上限が設定され、とクリーンな業界へと変化し続けております。

そりまるが業界に入った頃は、ちょうどこういった規制が加速し出した時期でして、この15年で業務内容の大きな変革を経験しました。MRと聞くと「お医者さんとのお付き合いが大変でしょう」とよく言われますが、正直業界外の方が思っている「大変さ」は全くないと言ってもいいくらいですね。

 

令和時代のMRの実際

さらにここ数年で、業界はもう一段階変貌を遂げようとしており、そりまるが考えるその原因は二つあります。

一つ目は医療制度改革に伴う、医療施設の訪問規制の強化です。医療用医薬品による収入は保険制度を背景とした国の医療費から賄われております。つまり製薬企業の収入は元をただせば国民の税金によるところが大きいわけですね。この税金が医療従事者と製薬企業との癒着から流れている、とみられることをきらい、各医療機関はMRとの関わり方を是正するように動いております。病院やクリニックで、患者さんではないスーツ姿の営業マンがずらりと並んでいる光景を目にされたことはありますでしょうか。こういった悪いイメージを払拭するため、病院によっては医療従事者とMRの面会を完全不可とする施設も少なくありません。医療従事者とのお付き合いが仕事であった昔から考えると、MRの在り方は大きく変化していると言えます。

 

二つ目はテクノロジーの進歩によるデジタル化の波です。PCのない時代では考えられなかったことですが、デジタルを駆使して個々の顧客に直接情報提供を行うことが可能となりました。医療従事者の会のスポンサーとなり、会場を設定し、懇親会の場を提供し、講演者の慰労会を行うより、Web講演会で直接情報提供を行うほうが安価で済む上、多数の医療従事者に視聴してもらうことができるため、各社デジタル化またたく間に進んでおります。さらにメールやWebコンテンツが充実したため、実際にMRが一軒一軒訪問するよりも、スピーディーにしかも多数の顧客への情報提供が可能となりました。こういったデジタルによる営業活動が大部分となったわけではありませんが、ひと昔前から比べると確実に医療従事者と「会う」時間は確実に減少しています。

 

 

 

 

MRという職業に就くために学んでおくべき3つのこと

とはいえ製薬業界自体にはまだまだニーズがあると思います。なぜなら、治療薬を必要とする「病気」自体はなくなっていないからです。バイオテクノロジーの進歩により、もしかしたら薬剤が不要になる時代が来るかもしれませんが、先の時代を見据えつつ今MRとして活動するためには、医療従事者との接し方を見直していく必要があると思います。そこでそりまるが考える、今後MRという職業に従事するために学んでおくべき事を3つほどご紹介したいと思います。

 

 

デジタルツールの活用術

前述の通り、MRと医療従事者とのいわゆる「面会」の時間は減ってきております。常に医療従事者にそばにMRが控えていた昔の時代とは違い、医療従事者もWebからの情報収集に抵抗がありません。情報提供を行うMRの方も、企業の推進するデジタル化の波に乗り遅れることなく、メールやWebサイトの活用など社内に存在するコンテンツは全て使いこなせる柔軟さが必要だと思います。とはいえアンケート調査によると、「薬剤を決定する情報の収集元は?」という問いに、約30%の医師が「MRから」を第1位に挙げております。この回答からもわかる通り、「コミュニケーション能力」 「時間管理能力」 等に長けている人財であることももちろん必要なようです。これまでの『 理想のMR像 』に+αとして、デジタルに強いということは武器になるのではないでしょうか。

 

医療制度に関する知識

また製薬業界だけではなく、医療業界全体が変革のときを迎えております。超高齢化に伴う医療費の増大、働き手の減少に伴う税収の減少のため、国の財政は医療業界によっても圧迫されております。これを受け医療制度の改革が加速しており、病院やクリニックといった医療施設も生き残りに必死です。施設ごとにどういった特色を出すか、それを行政にどのように認定してもらうかなどその方策は様々で、「医療経営士」という資格が存在するくらいです。こういった背景の中、MRが自社医薬品の宣伝だけをしても顧客からの信頼は得られにくいのが現状ではないでしょうか。その医療施設の方向性を理解したうえで、自社医薬品が「 お役に立てること 」を医療従事者にお伝えする必要があると思います。MR認定証の更新には継続して勉強が必要となっておりまして、製薬企業では社員の継続教育が行われております。そういった時間もありますが、より深く知識を得るために能動的な学習をおすすめします。

 

英語

最後にありきたりではありますが『 英語 』です。医薬品業界では世界的に吸収・合併が繰り返されており、大企業と大企業の合併によるメガ・ファーマ化が進んでおります。日本国内の製薬企業の売り上げ第一位は武田薬品ですが、この武田ですら世界では19位のメーカーに過ぎません。今後も最大の医薬品市場を持つアメリカを中心に、製薬企業のグローバル化が加速していくことでしょう。そんな中では英語は必須。本社勤務の方であれば本国とのWebミーティングが頻繁にありますし、資料も全て英語です。また営業のMRでさえも、情報提供の際に海外文献を紹介しますので、最低でもreadingは必要となるでしょう。昨今の情勢をご覧になっていれば、製薬企業に限らずビジネスマンにとって英語は当たり前の時代となってきているのがお分かり頂けると思います。

 

 

いかがでしたでしょうか。「 お医者さんはお金持ち 」、「 製薬企業はバブリー 」、「 MRは接待漬けでいいものいっぱい食べている 」なんて印象はむかしの話。MRは現在まさに大きな改革の真っただ中にいる職種です。昔の理想のMRは、コミュニケーション能力が高いとか、自律心を持って仕事に取り組んでいるとか、いわゆる人間性の部分での評価が大きかったと思います。今後MRとして続けていくためには、これまでも評価されていた人間性を磨きながら、+αのスキルを持った人財になることが必要ではないでしょうか。MRの在り方までもが変わっていく中、自分が医療従事者に何を提供できるのかを探求していける人が、必要とされる「 MR 」へ辿りつけるのではないかと思っております。

 

これからもMR業界の変革や、実際に働いていて感じたこと、お給料面など裏事情も含め、更新していけれたらなと思っております。是非遊びに来てくださいね。

 

 

 

 

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